皆さんは水槽の水質検査は行っていますか?
私は最近2日に1回のペースでみています。
今日は水槽の中の水質が悪くなったり、良くなったりと変化する様子について、化学反応を追いつつ勉強していきたいと思います!
(間違い等ありましたらお手柔らかにお願いします)
pHについて
水素イオン指数のことです。
H+の数が多いと酸性、OH-の数が多いとアルカリ性の水溶液となります。

水は化学式でH2Oと表されますが、水の中でH2Oは、僅かに水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH–)に分かれて存在しています。

純粋な水だけが入っている場合は、H+は一価の陽イオン(+が1つということ)、OH–は一価の陰イオン(-が1つということ)なので、釣り合いが取れてpHは中性の7となります。
読み方について
英語読みでピーエイチ、ピーエッチです。ドイツ語読みでペーハーです。
戦前、科学用語がドイツから入ってきたからペーハーと読んでいたそうな。
JISや計量法ではピーエッチと読み方が定められているので、そっちの読み方が正式です。
まぁどっちでもいいと思います。
ケース1:水槽内でアンモニアが発生
まず、水槽内でアンモニア(NH3)が発生します。
どこから発生するかというと、
- 餌の食べ残し
- 熱帯魚の排泄物(尿や糞)
- 枯れた水草
- 熱帯魚のエラから排出されるもの
などなどです。。
詳しくはタンパク質がバクテリアによって分解されて発生する分と、魚から直接排出される分の2種類に別れそうです。
この辺、熱帯魚の代謝や排泄についてとか、タンパク質が酵素によってどう分解されていくかはめっちゃ面白いんですが、もうちょっと調べて後日また記事を上げます。
ここではとにかく、アンモニアが発生すると思っておいてください。

アンモニア(NH3)は非常に溶けやすく、下記のようにアンモニウムイオン(NH4+)に変化します。
NH3 + H2O → NH4+ + OH–
アンモニアは猛毒ですが、アンモニウムイオンはほぼ無害です。
アンモニウムイオンに変化すると、OH–が発生するため水質はアルカリ性に傾きます。

ここで注意しなければならないのが、アンモニアがアンモニウムイオンに無限に変化するという訳ではないということです。
水中にアンモニアが溶けることのできる量は温度によって決まりますが、そのある一定量を越えてしまうと猛毒のアンモニアのまま水中に残ってしまいます。
このような状態になると、魚にとってはとても危険な水となってしまいます。
アンモニアを分解するバクテリア
バクテリアには、酸素を必要とする好気性細菌と、酸素を必要としない嫌気性細菌の2種類がいます。
水中のアンモニア(NH3)や、アンモニウムイオン(NH4+)をより無害な亜硝酸(NO2–)や硝酸(NO3–)に変換するのは好気性細菌の方です。
好気性細菌のアンモニアを亜硝酸や硝酸に変える働きを硝化と呼びます。
ケース2:アンモニアを亜硝酸に変換する
アンモニウムイオン(NH4+)が亜硝酸イオン(NO2–)になるまでを見ていきます。
ここで有害なアンモニアじゃなくて、無害なアンモニウムイオンが使われるんかい!と思った方はご安心ください。
アンモニアは水に溶けきれなかった場合に発生するため、アンモニウムイオンが亜硝酸イオンに変換されると、アンモニアはアンモニウムイオンになれます。
アンモニウムイオン(NH4+)を亜硝酸イオン(NO2–)に変換するのは、ニトロソモナス属のバクテリアだと言われています。
ただこれには諸説あって、淡水水槽ではニトロソモナス属ではなく古細菌のThaumarchaeotaが関与しているという論文が2011年に発表されたそうです。
反応式は以下のようになります。
NH4+ + 3/2O2 → NO2– + 2H+ + H2O
アンモニウムイオン(NH4+)が亜硝酸イオン(NO2–)に変換される際に、水素イオン(H+)が発生していますね。
よって水質は酸性に傾くということです。
また、反応に酸素(O2 )が使われていることがわかります。

ケース3:亜硝酸を硝酸に変換する
最後に亜硝酸イオン(NO2–)が硝酸イオン(NO3–)になるまでを確認します。
この反応はニトロバクター属のバクテリアによって行われます。こっちに関してはちょっと調べた限りだと、特に反論する論文は出てなさそうでした。
反応式を確認します。
NO2– + (1/2)O2→ NO3–
この反応では硝酸イオン(NO3–)しか発生していないため、pHの変化には影響がなさそうです。
この反応でも酸素(O2 )が使われていますね。

バクテリアによる硝化の働きには酸素が重要だということがわかります。よって、エアレーションをしてやるとバクテリアの働きが良くなるという説が確かめられました。
水の状態とpHについて
ここまでの結果をもとに、pHと水の状態をまとめるとこんな感じです。
pH低め(酸性) | 硝酸や亜硝酸が発生してるかも |
pH高め(アルカリ性) | アンモニアやアンモニウムイオンが発生してるかも |
底砂や流木からのアクなど、様々な要因でpHは決まるため一概には言えませんが、同じレイアウトでpH変化があった場合は当てはまる可能性が高くなります。
参考にしてみてください!
まとめ
水槽の中の有害物質が無害になるまでを見てみましたが、いかがでしたでしょうか?
私は中学の理科や高校の化学で習ったことが、やっと実生活に活かせたのでとても嬉しいです!
なんとなく普段本やインターネットで見ている情報でも、なぜそうなるのかを深掘りしていくと理解が深まり、何かトラブルが起きた際にも正確に対応できそうですよね。
今回書ききれなかったり調べきれなかった部分も多いので、化学シリーズ第二弾を期待しておいてください!
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参考
Little Waves. 硝化と脱窒【窒素循環について】. http://www.littlewaves.info/marine/wq_nitoro.htm, 2020/3/8取得
ARCADIA. アンモニアの発生要因や水槽内での働き・役割、除去及び予防法. https://jf-farm.com/202/, 2020/3/8取得
水棲疾病基盤研究所. 水槽立ち上げ初期の落とし穴(アンモニア/アンモニウムイオン). https://ameblo.jp/fairlady-sp310/entry-12366771308.html, 2020/3/8取得
水槽と家具. 亜硝酸菌 ≠ ニトロソモナス【アクアリウム・生物学】. https://neleus.wordpress.com/2011/08/19/%E4%BA%9C%E7%A1%9D%E9%85%B8%E8%8F%8C-%E2%89%A0-%E3%83%8B%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%BD%E3%83%A2%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%80%90%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%BB%E7%94%9F%E7%89%A9/, 2020/3/8取得
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